給与だけでは応募は増えない|求職者に選ばれる休日・残業・働き方の伝え方

求職者に選ばれる休日・残業・働き方の伝え方
休日・残業・働き方の伝え方を見直すことで、給与条件を大きく変更しなくても、求人への応募・入社意欲を高められる可能性があります。
給与を上げたのに応募が増えない。月給は競合より高いはずなのに、求人を見てもらえない。このような場合、給与以外の労働条件が十分に伝わっていない可能性があります。
求職者が知りたいのは、年間休日数だけではありません。毎週何曜日に休めるのか、繁忙期の残業はどの程度か、有給休暇を申請しやすいのか、リモートワークやフレックスタイムを実際に利用できるのかまで確認しています。
2026年6月のマイナビ調査では、企業がエンゲージメント向上施策に取り組んでいることで「応募・入社意欲が非常に高まる」と回答した正社員が41.7%、「やや高まる」が31.0%でした。好印象な施策の1位は「休日制度や勤務時間の改善(残業削減等)」で30.2%です。
この記事では、休日・残業・働き方の伝え方を、求人原稿へそのまま反映できる実務的な形で解説します。
この記事の要点
- 給与は重要だが、休日・残業・働き方も応募先を選ぶ判断材料になる
- 「働きやすい会社」ではなく、日数、時間、利用条件、実績で示す
- 年間休日と有給休暇、固定残業時間と実際の残業時間を混同しない
- 制度の有無だけでなく、誰が、いつから、どの程度使えるかを伝える
- 求人原稿、面接説明、実際の運用内容を一致させる
休日・残業・働き方の伝え方が応募を左右する理由
応募・入社意欲が非常に高まる
応募・入社意欲がやや高まる
休日・勤務時間の改善
給与は応募先を選ぶ重要な条件です。マイナビの2026年5月調査でも、「どんな企業に応募したいか」という単一回答では「給与が良い」が27.0%で最も高い結果でした。
ただし、給与だけを確認して応募を決めるわけではありません。同じ調査では「休日や残業時間が適正、生活にゆとりができる」ことも応募したい企業の条件として挙げられています。
求職者は月給が高くても、休日が少ない、固定残業時間が長い、勤務時間が不規則、休暇を取得しにくいと判断すれば、他社を選ぶ可能性があります。
給与と働き方を対立させない
「給与より休日が大切」と決めつけるのではなく、給与、休日、残業、仕事内容、勤務地をまとめて比較できる状態を作ることが重要です。求人原稿では、良い条件だけを強調せず、応募判断に必要な情報を具体的に提示します。
「働きやすい会社」だけでは伝わらない
求人原稿でよく見られるのが、「ワークライフバランスを大切にしています」「プライベートも充実できます」といった抽象表現です。
休日・残業・働き方の伝え方では、抽象的な魅力よりも、求職者が入社後の生活を想像できる具体的な情報が重要です。
会社の考え方として掲載することはできますが、それだけでは求職者が自分の生活を想像できません。
抽象的な表現を具体情報へ変える
制度名を並べるのではなく、入社後の1週間や1か月を想像できる情報へ変換することが、休日・残業・働き方の伝え方の基本です。
求人で休日を伝える5つのポイント
1年間休日数だけで終わらせない
「年間休日120日」と記載するだけでは、いつ休めるのかが分かりません。土日祝が休みなのか、会社カレンダーによるのか、シフト制なのかを併記します。
記載例
年間休日120日。完全週休2日制(土・日)、祝日、年末年始休暇5日。年に2回、会社行事による土曜出勤があります。
2完全週休2日制と週休2日制を区別する
完全週休2日制は、毎週2日の休日がある制度です。一方、週休2日制は、月に1回以上、週2日の休日がある制度として使われる場合があります。
「週休2日制」とだけ書くと、求職者が毎週2日休めると受け取る可能性があります。休みの曜日と頻度を具体的に示しましょう。
3年間休日と有給休暇を分ける
年間休日は、会社があらかじめ定めた休日です。有給休暇は、一定の要件を満たした労働者へ付与される休暇であり、年間休日とは別に扱います。
厚生労働省の2025年就労条件総合調査では、2024年の労働者1人平均年間休日総数は116.6日、年次有給休暇の平均取得日数は12.1日、取得率は66.9%でした。
自社の求人では、年間休日数へ有給休暇の取得想定日数を足して表示しないよう注意します。
4有給休暇の取りやすさを実績で示す
「有給休暇を取得しやすい職場」と書く場合は、平均取得日数、取得率、連休取得例、時間単位有休の有無など、確認できる実績を添えます。
取得率だけでは対象人数や付与日数によって見え方が変わるため、可能であれば平均取得日数も併記します。
5シフト制は決まり方まで伝える
シフト制の求人では、月の休日数だけでなく、希望休の申請方法やシフト確定日が重要です。
- 月何日休めるか
- 希望休は月何日まで申請できるか
- 土日や祝日の希望休は可能か
- シフトは何日前に確定するか
- 連休を取得した実績があるか
求人で残業時間を伝える5つのポイント
1「残業ほぼなし」を数字へ変える
残業が少ないことを訴求する場合は、「月平均残業10時間」など、実績を数字で示します。
平均値を算出した期間も明確にします。直近1か月だけではなく、可能であれば直近6か月または12か月で確認し、繁忙期を含めます。
2平均だけでなく繁忙期も伝える
通常月は残業が少なくても、決算期、繁忙期、イベント前などに増える仕事があります。
記載例
月平均残業は8時間です。通常月は5時間以内ですが、3月の繁忙期は月15~20時間程度になる場合があります。
平均値だけを見せるより、残業が増える時期と理由を説明した方が、入社後の認識差を防げます。
3固定残業時間と実際の残業時間を分ける
固定残業代に含まれる時間数は、実際の月平均残業時間とは限りません。
たとえば「固定残業代30時間分を含む」と「実際の月平均残業10時間」は別の情報です。固定残業代を採用している場合は、金額、対象時間数、超過分を別途支給することを明示し、可能であれば実際の平均残業時間も併記します。
4残業が発生する理由を説明する
残業時間だけでなく、なぜ発生するのかが分かると、候補者は働き方を判断しやすくなります。
- 月末や決算期に業務が集中する
- 顧客対応が長引く場合がある
- 交代勤務の引き継ぎ時間がある
- 繁忙期のみ生産量が増える
5残業削減の取り組みを具体化する
ノー残業デー、業務分担の見直し、システム導入、会議時間の短縮などを実施している場合は、制度名だけでなく、何を変えてどのような成果が出たかを伝えます。
取り組み前後の数字がない場合でも、「毎週水曜日は原則定時退社」「18時30分以降の会議は禁止」など、実際のルールを示すことができます。
リモート・フレックス・時短勤務の伝え方
柔軟な働き方は魅力になりますが、「制度あり」と書くだけでは十分ではありません。制度を利用できる条件を明確にします。
働き方ごとに明示したい内容
制度の存在と利用実態を分けて伝える
就業規則に制度があっても、募集職種では利用できない場合があります。「制度あり」と「この求人で利用可能」を区別し、利用条件を求人原稿と面接で一致させます。
休日・残業・働き方の改善前後の例
求人原稿の改善例
改善例の数字や制度は記載方法の見本です。実際の求人では、社内制度と直近の実績に置き換えて使用します。
マイナビ転職・dodaで原稿を作る際の考え方
休日・残業・働き方の情報は、募集要項欄へ入れるだけではなく、求人タイトル、冒頭、仕事内容、社員紹介にも分散して伝えます。
1検索画面で伝わる条件を優先する
年間休日、完全週休2日制、残業時間、リモート可など、応募判断に影響する条件は、検索結果や求人冒頭で確認できる状態にします。
2制度を仕事内容と結び付ける
単に「フレックスあり」と書くのではなく、顧客訪問、会議、集中作業など、制度をどのように業務へ生かしているかを説明します。
3スカウト文面でも同じ情報を使う
求人原稿では休日を訴求しているのに、スカウトでは給与やポジションだけを伝えていると、候補者に魅力が届きません。
対象者の経験に合わせて、「土日休み」「月平均残業」「在宅勤務」など、転職理由と結び付きやすい条件を冒頭へ入れます。
公開前に確認するチェックリスト
- 年間休日と有給休暇を分けて記載している
- 休日の曜日と頻度が分かる
- 完全週休2日制と週休2日制を正しく使い分けている
- 残業時間の集計期間が明確になっている
- 通常月と繁忙期の違いを説明している
- 固定残業時間と実際の平均残業時間を混同していない
- リモートやフレックスの利用対象と条件が分かる
- シフト確定日や希望休の申請方法を説明している
- 求人原稿、面接説明、就業規則の内容が一致している
- 確認できない数値や利用実績を掲載していない
RECRUITING SUPPORT
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株式会社ライノワークスでは、実際の休日、残業、働き方、教育制度を確認し、求職者が比較しやすい求人原稿へ整理します。マイナビ転職・dodaの媒体選定、原稿制作、スカウト、掲載後の改善までご相談いただけます。
まとめ
給与は応募先を選ぶ重要な条件ですが、求職者は休日、残業、働き方も含めて企業を比較しています。
「働きやすい会社」「残業ほぼなし」といった抽象表現ではなく、年間休日数、休みの曜日、月平均残業時間、繁忙期、制度の利用条件を具体的に伝えましょう。
特に、年間休日と有給休暇、固定残業時間と実際の残業時間、制度の存在と利用実態は、分けて説明することが重要です。
給与以外の魅力を正確に見える化できれば、条件を大幅に変更しなくても、自社に合った求職者へ選ばれる可能性を高められます。
参考:マイナビキャリアリサーチLab「2026年6月度 中途採用・転職活動の定点調査」(2026年7月31日公開)
参考:マイナビ「2026年5月度 中途採用・転職活動の定点調査」PDF
参考:厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査」(2025年12月19日公表)
参考:厚生労働省「募集時などに明示すべき労働条件が追加されます」
※掲載内容は2026年8月5日時点で確認できる公表資料をもとにしています。求人へ掲載する数値や制度は、必ず自社の最新の就業規則、雇用条件、実績と照合してください。
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