エンゲージがやばいと言われる理由!採用担当が知るべきリスク対策

こんにちは。株式会社ライノワークスの犀川です。
採用活動において、コストを抑えつつ効果的な母集団形成を行いたいと考えた際、初期費用も掲載費もかからずに求人が出せる「engage(エンゲージ)」は、経営者や人事担当者にとって非常に魅力的な選択肢ですよね。しかし、導入を本格的に検討し始めてWebでリサーチをかけると、検索候補(サジェスト)に「エンゲージ やばい」という不穏な言葉が表示され、一気に不安を感じたことはないでしょうか。
「無料だから質の悪い応募者ばかり来るのではないか?」「評判や口コミが悪くて、掲載することで自社のブランドイメージまで傷つくのではないか?」といった懸念を抱くのは、企業の採用責任を負う立場として至極当然の心理です。特に、HRテック業界はサービスが乱立しており、料金体系や仕組みが見えにくいサービスには、どうしても警戒心を持ってしまいますよね。
実は、この「やばい」という評判が立つ背景には、サービスの欠陥だけではない、明確な構造的な理由と、採用側が知っておくべきリスク管理のポイントが存在します。私自身、これまで年間150名以上の採用に携わり、多くの企業様の採用支援を行う中で、エンゲージをうまく活用してコストを劇的に下げた企業と、逆にトラブルに巻き込まれて疲弊してしまった企業の差を数多く目の当たりにしてきました。
この記事では、求人広告代理店の運営責任者としての視点と、元人事としての実務経験に基づき、以下の4つのポイントについて徹底的に深掘りして解説します。
・エンゲージが「やばい」と言われる構造的な原因と市場のメカニズム
・自社の求人が勝手に掲載されてしまう仕組みと、その正しい管理手法
・「ブラック企業」や「釣り求人」と誤解されないための具体的な防衛策
・無料枠と有料枠を戦略的に使い分け、リスクを回避して採用成功につなげるノウハウ
採用側が懸念するエンゲージがやばい評判の正体
まずは、なぜ国内No.1の求人掲載数を誇るエンゲージに対して、「やばい」というネガティブな検索ワードがこれほど強く紐付いているのか、その正体を解明していきます。これはサービスの不具合というよりも、誰でも手軽に利用できる「プラットフォーム型求人サービス」特有の副作用であり、構造上の宿命とも言える現象です。このメカニズムを理解することが、安全な運用の第一歩となります。
無料掲載の裏にある仕組みと集客リスク

エンゲージの最大の特徴にして最強の武器は、アカウント作成から求人掲載、応募者管理に至るまで、基本的な機能を「完全無料」で利用できる点にあります。採用予算の確保が難しいスタートアップや中小企業、地方の小規模店舗にとっては、まさに採用の民主化をもたらした画期的な仕組みです。しかし、この「無料」という甘い蜜には、採用担当者が直視しなければならない重大な副作用が潜んでいます。
それは、「参入障壁が極めて低い」ことによる、掲載求人の質のバラつきです。
従来のリクナビやマイナビといった掲載課金型の求人サイトでは、掲載にあたって数万円〜数十万円の費用が必要であり、さらに代理店や媒体社による厳格な事前審査(考査)が行われていました。この「コスト」と「審査」が、ある種の「信頼のフィルター」として機能し、怪しい業者や実態のない求人を排除していたのです。
一方、エンゲージのようなSaaS(Software as a Service)型モデルでは、メールアドレスさえあれば誰でも数分でアカウントを作成し、求人を世に放つことが可能です。システムによる自動審査や事後パトロールは行われているものの、膨大な求人数に対して完全な監視を行うことは物理的に難しく、その結果、以下のような「やばい」状況が生まれています。
【無料掲載モデルが生む市場の歪みとリスク】
プラットフォームの開放性が高すぎるゆえに、以下のようなノイズが混入しやすくなっています。
- 詐欺・犯罪の温床: 「荷受け代行」「高額報酬」などを謳った、実態のない詐欺まがいの求人や、近年社会問題化している違法な「闇バイト」の募集が紛れ込むリスク。
- ゾンビ求人の大量発生: 掲載期間に制限がないため、採用活動が終了しているにもかかわらず、担当者が掲載停止を忘れて放置された求人が大量に残存する現象。
- もらい事故のリスク: これらの低品質な求人と並列で表示されることで、貴社の真っ当な求人もユーザーから「ここも怪しいのではないか?」と警戒される可能性。
求職者の視点に立つと、検索結果の中に明らかに怪しい求人が混ざっている状態は、地雷原を歩くようなものです。「タダより高いものはない」という言葉があるように、「無料で掲載できる=企業の質が保証されていない」という不安(インサイト)が、「エンゲージ やばい」という検索行動に直結しているのです。
私たち採用担当者は、この「ユーザーが疑心暗鬼になっている状態」を前提として、通常以上に信頼性を担保する情報発信を行わなければならないということを、強く意識する必要があります。
勝手に掲載された求人の削除と管理方法

採用担当者様からよくいただく相談の中でも、特に深刻で緊急性が高いのが、「自社で登録した覚えがないのに、勝手にエンゲージに求人が載っている」「しかも内容が古い、または間違っている」というケースです。これも企業側が「エンゲージはやばい、勝手なことをするな」と不信感を抱く大きな要因となっています。
なぜこのような現象が起きるのでしょうか。これには、HRテック特有の技術的な背景があります。
エンゲージは単なる求人投稿サイトではなく、IndeedやGoogleしごと検索と同様に、Web上のあらゆる求人情報を収集する「クローリング(自動収集)」の機能を持っています。システムが自動的に企業の公式採用ページや、ハローワークの公開情報などを巡回し、「あ、ここに求人情報があるな」と判断すると、その情報を元にエンゲージ上に求人ページ(概要版)を自動生成することがあるのです。
これは、プラットフォーム側にとっては「求人情報を網羅し、求職者にとって便利なサイトにする」という正義に基づいた仕様ですが、企業側からすればたまったものではありません。古い給与条件のまま掲載されていたり、意図しない部署の募集が出ていたりすれば、応募者とのトラブルの元になりますし、何より「自社の情報が管理下にない」という状態はブランド毀損のリスクがあります。
しかし、ここで感情的に「削除しろ!」と叫ぶだけでは解決になりません。最も賢明で建設的な対処法は、以下の通りです。
| 状況 | 推奨されるアクション |
|---|---|
| 勝手に掲載されている | エンゲージ上で「企業オーナー登録(無料)」を行い、ページの管理者権限を取得(クレーム)する。 |
| 内容が間違っている | 権限取得後、正しい情報に修正するか、あるいは求人を「非公開」設定にする。 |
| 削除したい | 管理画面から退会処理を行うか、サポートへ削除依頼を出す(ただし、Web上に元情報がある限り再掲載される可能性あり)。 |
重要なのは、「勝手に載せられた」と被害者意識を持つのではなく、「無料で自社のページ枠が作られているなら、オーナー権限を取り返して、正しい情報を発信してやろう」とポジティブに捉え直すことです。管理権限さえ持ってしまえば、エンゲージは強力な集客ツールに変わります。
このような「求人検索エンジン」の仕組みや、Indeedとの連携については、以下の記事でも図解付きで詳しく解説していますので、ぜひ併せてご覧ください。
Indeedと求人媒体の違いを整理!効果的な運用法もわかりやすく
口コミ連携によるブラック企業認定の回避

エンゲージを利用する上で、採用担当者が最も神経を尖らせるべき機能の一つが、口コミサイトとの連携仕様です。エンゲージの求人ページには、同じエン・ジャパン株式会社が運営する日本最大級の企業口コミサイト「エン ライトハウス(旧:カイシャの評判)」の評価スコアやコメントが、自動的に連携・表示される場合があります。
これは「情報の透明性」を掲げるエン・ジャパンならではの哲学であり、求職者にとっては「入社後のギャップを防ぐ」ための素晴らしい機能です。しかし、企業側、特に過去に労務トラブルがあったり、退職者と良好な関係を築けなかったりした企業にとっては、これが致命的な「毒」となる可能性があります。
想像してみてください。求人票では「アットホームで風通しの良い職場です!未経験でも安心!」と高らかに謳っているその真横に、元社員からの「サービス残業が横行している」「上司のパワハラが原因で辞めた」といった星1つの口コミが表示されていたらどうなるでしょうか。求職者は100%、企業の公式情報(求人票)よりも、第三者の口コミ(エン ライトハウス)を信じます。その瞬間、貴社は「嘘つきなブラック企業」として認定され、応募ボタンが押されることは二度とありません。
【口コミリスクへの具体的な対抗策】
「悪い口コミを書かれたら終わり」ではありません。以下の手順でリスクコントロールを行いましょう。
- 現状把握: まずは自社が「エン ライトハウス」でどのように書かれているかを確認する。
- 返信機能の活用: 企業担当者として口コミに返信を行うことができます。ネガティブな内容が事実であれば真摯に謝罪し、「現在は〇〇のように制度を改善しました」と改善事実をアピールする。事実無根であれば、冷静に自社の見解を述べる。
- 社内改善と周知: そもそも悪い口コミが書かれないよう、社内環境を整え、社員満足度を高めることが根本治療です。
口コミを恐れて隠すのではなく、オープンな場で対話する姿勢を見せることで、「誠実な会社だ」という逆転の評価を得ることも十分に可能です。
釣り求人と疑われないための記載の工夫

求職者が「エンゲージ やばい」と検索する背景には、好条件すぎる求人に対する「これって本当?釣りじゃないの?」という強い警戒心があります。「釣り求人(空求人)」とは、実際には募集していない、あるいは採用する気がないにもかかわらず、登録者を集めるために掲載される好条件の求人のことを指します。
特に最近は、「未経験でも月収50万円」「作業は簡単、1日3時間でOK」といった、常識的に考えてあり得ない条件の求人が(主に悪質な業者によって)散見されます。このような環境下では、貴社が本当に好待遇でホワイトな求人を出していたとしても、記載内容が曖昧だと「これも怪しい釣り求人だ」と十把一絡げにされてしまうリスクがあります。
自社の求人が健全であることを証明し、求職者の不信感を払拭するためには、情報の「解像度」を極限まで高める必要があります。
1. 給与の根拠を明確にする
ただ「月給30万円〜」と書くのではなく、その内訳を詳細に記載してください。基本給はいくらか、固定残業代は何時間分含まれているのか、インセンティブの支給条件は何か。詳細であればあるほど、信憑性は高まります。
2. 仕事内容を映像が浮かぶレベルで書く
「営業事務」とだけ書くのではなく、「電話対応(1日平均20件)、見積書作成(専用ソフト使用)、来客時のお茶出し」など、具体的なタスクレベルまで落とし込んで記載します。曖昧さは不信の元です。
3. 「労働条件明示」のルールを遵守する
2024年4月から、労働条件明示のルールが改正されました。求人募集時においても、従事すべき業務の変更の範囲や、就業場所の変更の範囲などを明示することが求められています。法律を遵守した詳細な記述は、ホワイト企業の何よりの証明です。
詳細なルールについては、厚生労働省の公式サイトをご確認ください。
(出典:厚生労働省『令和6年4月より、募集時等に明示すべき事項が追加されます』)
また、求人業界には「サクラ」の存在が疑われることもありますが、その実態とリスク管理については以下の記事で詳しく解説しています。
求人広告のサクラは本当にいる?不安を解消する実務と対策まとめ
応募者に無視されるスカウトの改善点
エンゲージには、企業側から求職者にアプローチできる「スカウト(オファー)」機能が実装されています。無料で使える強力な武器ですが、多くの採用担当者様から「何百通送っても返信が来ない」「無視される」という悲鳴にも似た相談を受けます。これもまた、エンゲージが「やばい(スパムが多い)」と言われる一因となっています。
なぜ無視されるのか。答えはシンプルで、「コピペで一斉送信された定型文」であることが、受け手にバレバレだからです。
求職者の受信ボックスには、毎日大量の「あなたに興味があります!」というタイトルのメールが届きます。しかし、中身を開けば「貴殿の経歴を拝見し〜」という誰にでも当てはまるような内容ばかり。これでは「どうせ数打ちゃ当たるで送っているんだろう」「自分のプロフィールなんて読んでいないんだな」と見透かされ、ゴミ箱行きになるのは必然です。
この壁を突破し、反応を得るためには「One to One(個へのアプローチ)」の意識が不可欠です。
- 件名に具体性を: 「【〇〇(特定の資格)をお持ちのあなたへ】面接確約オファー」など、自分宛てだと分かる件名にする。
- 本文で理由を語る: 「プロフィールの〇〇というプロジェクト経験に惹かれました」「当社の〇〇という課題を、あなたのスキルなら解決できると思いました」と、その人に送った理由(必然性)を熱く語る。
「数」を撃つのではなく、「質」を高めること。それが、スパム扱いされずに、優秀な人材と出会うための唯一の近道です。
エンゲージがやばい状況を回避する採用ノウハウ
ここまでは、エンゲージにまつわるリスクやネガティブな側面を中心に見てきましたが、誤解していただきたくないのは、エンゲージは正しく管理・運用さえすれば、採用コストを劇的に削減できる極めて優秀なツールであるという事実です。
ここからは、これまで解説した「やばい」評判やリスクに巻き込まれることなく、無料で賢く成果を出すための、実践的な運用ノウハウをご紹介します。明日からの採用活動にすぐに取り入れられるアクションプランです。
ログインして放置求人を整理する重要性

「エンゲージ やばい」と言われる最大の原因の一つ、「ゾンビ求人(募集終了後の放置求人)」にならないために、最も重要かつ基本的なアクション。それは、「定期的に管理画面にログインすること」です。
エンゲージの仕様上、求人の掲載期間は「無期限」です。有料媒体のように「4週間経ったら自動で切れる」という親切設計ではありません。そのため、採用担当者が忙しさにかまけて管理を怠ると、採用活動が終わったはずの求人が半年も1年もWeb上に残り続けることになります。
これに応募してしまった求職者はどうなるでしょうか。当然、企業からは何の連絡もありません。「応募したのに無視された」「サイレントお祈りだ」と憤り、その怒りは「この会社はやばい」「エンゲージは信用できない」という口コミとなって拡散されます。
このような「もらい事故」ならぬ「自爆事故」を防ぐために、以下のルーチンを徹底してください。
【推奨される運用ルーチン】
- 週に1回はログイン: 新着応募の確認だけでなく、掲載中の求人が現在の採用状況と合致しているかをチェックする。
- 採用決定時は即停止: 採用が決まった瞬間、または定員に達した瞬間に、必ず手動で「掲載停止」または「募集終了」のステータスに変更する。
- 求人内容の更新: 定期的に求人の文章(「現在のプロジェクト」や「社員の声」など)を微修正することで、システムに「アクティブに運用されている求人」と認識させ、検索順位の維持にも寄与させる。
「神は細部に宿る」と言いますが、採用においては「信頼は管理に宿る」のです。
スカウトメールが迷惑がられる原因と対策
前述したスカウトメールの質を高めることに加えて、送信する「運用面」での配慮も重要です。ユーザーが「やばい、しつこい」と感じる背景には、企業のデリカシーのなさが関係している場合があります。
例えば、同じユーザーに対して、短期間に何度も同じ内容のスカウトを送っていませんか?あるいは、深夜や早朝といった非常識な時間に送信していませんか?(自動送信設定をしている場合は特に注意が必要です)。
スカウトメールが迷惑がられないための、具体的な運用対策は以下の通りです。
1. ターゲットの厳選(セグメンテーション)
「未経験歓迎」だからといって、全く接点のない職種や、居住地が遠すぎるユーザーにまで手当たり次第送るのはやめましょう。求職者は「自分の希望条件を無視して送ってくる企業=ブラック企業」と認定します。検索条件を細かく設定し、本当にマッチする層にだけ送る勇気を持ってください。
2. 送信タイミングの最適化
求職者がメールを開封しやすいゴールデンタイムを狙います。一般的には、通勤時間の「朝7:30〜8:30」、ランチタイムの「12:00〜13:00」、そして帰宅後のリラックスタイムである「20:00〜22:00」が効果的です。深夜の通知は嫌悪感を抱かれるリスクが高いため避けましょう。
3. 「再送」のマナー
一度送って反応がなかった相手に再度アプローチする場合は、件名や文面を変え、「前回のご連絡で興味を持っていただけなかったかもしれませんが、どうしてもお話ししたく再送いたしました」といった謙虚な一文を添えるのがマナーです。同じ定型文の連打はスパム認定への特急券です。
評判の悪さをカバーする面接対応のコツ

応募者がエンゲージを経由して貴社に応募してきた場合、彼らは少なからず「この求人サイト、評判があまり良くないけど大丈夫かな?」「ブラック企業じゃないかな?」という潜在的な不安(バイアス)を抱えています。この不安を放置したまま選考を進めると、些細なことで不信感を持たれ、辞退につながるリスクがあります。
そのため、最初の接点である面接、あるいは面接前のやり取りにおいて、通常以上に「安心感の醸成」にリソースを割く必要があります。「エンゲージはやばい」という先入観を、「この会社はしっかりしていて誠実だ」というポジティブなギャップで覆すことができれば、求職者の志望度は劇的に向上します。
具体的には、以下の4つのアクションを意識してください。
1. 驚くほどのスピード対応で「ゾンビ求人」の疑いを晴らす
前述の通り、エンゲージには放置された「ゾンビ求人」が溢れています。応募者は「どうせ返信なんて来ないだろう」と半ば諦めの気持ちでボタンを押していることもあります。
そこで、応募通知が来てから「1時間以内」、遅くとも「当日中」にファーストコンタクトを取ってください。この圧倒的なスピード感だけで、「あ、この会社はちゃんと人が管理しているんだ」「自分を必要としてくれているんだ」という強烈な安心感を与えることができます。自動返信メールの設定だけでなく、担当者の個人名を入れた手動メールを送るとなお効果的です。
2. 面接冒頭でのアイスブレイク
面接の冒頭で、あえてエンゲージという媒体に触れるのも一つの手です。
「数ある求人サイトの中から、エンゲージを通じて当社の求人を見つけていただき、ありがとうございます。使いにくい部分はなかったですか?」
このようにあえてプラットフォームの話題を出すことで、「私たちは媒体の特性(評判も含めて)を理解した上で利用していますよ」というメタなメッセージを伝えることができ、応募者の警戒心を解くきっかけになります。
3. 面接ツールへの誘導は慎重に
最近の「闇バイト」や詐欺求人の手口として、Telegram(テレグラム)やSignal(シグナル)といった秘匿性の高いチャットアプリへ誘導するケースが多発しています。そのため、正規の採用活動であっても、聞き馴染みのないツールへの誘導は避けるべきです。
エンゲージには「動画面接(ビデオインタビュー)」機能が標準装備されていますし、一般的によく使われるZoomやGoogle Meetであれば問題ありません。しかし、「LINEでやり取りしましょう」といきなり個人のLINEアカウントを教えるのは、特に若い世代や女性の求職者にとっては「やばい(公私混同している)」と敬遠される要因になりますので、信頼関係ができるまではビジネスライクなツールを使用しましょう。
【信頼獲得のキラーフレーズ】
「求人票には書ききれなかったのですが、実はこういう大変な部分もあります。それでも大丈夫ですか?」
あえてネガティブな情報(仕事の厳しさなど)を正直に話す「RJP(Realistic Job Preview)」の手法を取り入れることで、「この担当者は嘘をつかない」という深い信頼を得ることができます。
退会方法を知りリスク管理を徹底する

「始めるのは簡単だが、辞めるのが難しい」。これはWebサービスにおける「あるある」ですが、エンゲージに関しても「退会できない」「アカウントが消せない」という検索クエリが多く見られます。企業側としてリスク管理を徹底するためには、いつでも撤退できる「出口戦略」を知っておくことが不可欠です。
万が一、採用活動を長期的に休止する場合や、情報漏洩リスクを考慮してサービス利用を完全に停止したい場合は、単に求人を「非公開」にするだけでは不十分です。アカウント情報そのものがサーバーに残っている限り、不正アクセスや、担当者のミスによる誤掲載のリスクはゼロにはなりません。
正しい退会手順は以下の通りです。この手順は、管理画面のUI変更などにより分かりにくくなっている場合があるため、ブックマークしておくことをお勧めします。
【エンゲージの完全退会手順】
- エンゲージ管理画面にログインする。
- 画面右上などのメニューから「各種設定」または「アカウント設定」を開く。
- 設定ページの最下部までスクロールする(※非常に見つけにくい場所に小さな文字でリンクがあります)。
- 「退会の手続き」というリンクをクリックする。
- 退会理由のアンケートに回答し、「退会する」ボタンを押下する。
ここでの注意点は、「アプリをアンインストールしただけでは退会にならない」という点です。これは求職者(ユーザー)側もよく陥る罠ですが、企業側も同様です。ブラウザのブックマークを消しても、アプリを消しても、契約(アカウント)は生きています。
また、一度退会すると、これまでに作成した求人原稿、応募者データ、スカウトのテンプレートなどはすべて完全に削除され、復元することはできません。「また来年使うかもしれない」という場合は、退会ではなく「全求人の非公開設定」に留めておくのが賢明です。
「入るのは易し、出るのも(手順を知っていれば)易し」。これを確認した上で、安心して利用を開始してください。
有料枠と無料枠を使い分ける採用戦略
ここまで「無料」を前提にお話ししてきましたが、エンゲージには「エンゲージプレミアム」などの有料プランも存在します。「エンゲージはやばい」と言われる要因の一つに、無料枠ゆえの集客力の限界(応募が来ない=やばい)が含まれていることも事実です。
ビジネスにおいて「無料」には必ず限界があります。エンゲージの無料求人は、IndeedやGoogleしごと検索に連携はされますが、有料枠を使っている競合他社の求人に比べれば、表示順位や露出量は劣ります。すべてを無料で済ませようとするのではなく、採用の緊急度や難易度に合わせて「使い分ける」のが、プロの採用戦略です。
| 項目 | 無料プラン(Free) | 有料プラン(Premiumなど) |
|---|---|---|
| 適した採用 |
|
|
| Indeed連携 | 連携されるが、オーガニック枠(無料枠)での表示が主となり、埋もれやすい。 | Indeedのスポンサー枠(有料枠)などに自動的に予算が配分され、露出が激増する。 |
| スカウト | 週ごとの通数制限があるが、利用可能。 | 通数が増加し、AIによるマッチング精度の高いレコメンド機能などが強化される場合がある。 |
私の推奨する使い分けは、「ベースキャンプとしての無料エンゲージ」+「ここぞという時の有料ブースト」です。
まず、自社の採用サイト(オウンドメディア)として、エンゲージで魅力的なページを無料で作り込みます。これは永続的な資産になります。その上で、「今は急ぎで人が欲しい!」というタイミングが来た時にだけ、エンゲージの有料オプションを利用するか、あるいはIndeedや求人ボックスの有料広告(リスティング)に予算を投下します。
「エンゲージは無料だから効果がない(やばい)」と切り捨てるのではなく、自社の採用ホームページ代わりとして土台に据え、必要に応じてエンジン(広告費)を積む。このハイブリッドな運用こそが、コストパフォーマンスを最大化する秘訣です。
エンゲージがやばいという噂への採用側の結論

長くなりましたが、結論として「エンゲージ やばい」という検索クエリと評判について、採用担当者はどう向き合うべきか、私なりの答えを提示します。
「エンゲージ やばい」という言葉は、プラットフォームの欠陥を示しているのではなく、「あまりにも自由度が高く、参入障壁が低すぎる市場」に対する、ユーザー(求職者)の戸惑いと警戒心の表れです。
そこには、悪意を持って罠を仕掛ける「詐欺業者」もいれば、管理がずさんな「ゾンビ企業」もいます。しかし同時に、予算はないけれど情熱を持って事業を行っている「地元の優良企業」も数多く存在しており、まさに玉石混交の「巨大な市場(バザール)」が形成されています。
私たち採用担当者がすべきことは、この噂に怯えて利用を避けることではありません。むしろ、多くの企業が管理を怠り「やばい」と思われている中で、「徹底的に情報を開示し、迅速に対応し、誠実に運用する」ことです。
たったそれだけで、貴社の求人はその他大勢の「怪しい求人」から頭一つ抜け出し、ダイヤモンドのように輝いて見えます。競合が勝手に評価を下げてくれている今こそ、正しく運用できる企業にとってはチャンスなのです。
運営元のエン・ジャパン株式会社は、日本の人材業界を牽引してきた東証プライム上場企業であり、システム自体のセキュリティや個人情報保護の体制(プライバシーマーク取得済み)は、無名の求人サイトとは比較にならないほど堅牢です。道具は使い手次第。ぜひ、「やばい」という風評を逆手に取り、求職者が安心して応募できる「安全地帯」をエンゲージ上に作り上げてください。
この記事が、貴社の採用活動のリスクを減らし、素晴らしい人材との出会いにつながることを願っています。

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