夏の求人応募は減る?7~8月に応募が落ちた企業が9月までにやるべきこと

正社員採用

夏の求人応募の減少を分析し9月採用の準備を進める人事担当者

夏の求人応募が7~8月に減ることはありますが、「夏休みだから仕方がない」と判断するのは早計です。求職者の動きが鈍る場合がある一方、媒体、職種、地域、雇用形態によっては8月に転職活動が活発になることもあります。

応募数が落ちたときに確認すべきなのは、季節そのものではなく、求人の表示、クリック、応募開始、応募完了、面接設定のどこで数字が下がったかです。原因を切り分けないまま掲載を止めると、9月に動き出す求職者との接点まで失いかねません。

この記事では、公開済みの転職市場データをもとに夏の動きを整理し、7~8月に応募が落ちた企業が9月までにやるべき7つの改善策を解説します。

この記事の要点

  • 7~8月に応募や転職希望者が減ることはあるが、毎年・全職種で同じではない
  • 2025年はdodaの転職希望者数が7月、8月とも前月比で減少した一方、別調査では8月の転職活動実施率が上昇した
  • 月間応募数だけでなく、表示から面接までの工程別指標で原因を切り分ける
  • 9月に向けて、条件、原稿、予算配分、応募後対応を8月中に整える

夏の求人応募は本当に減るのか

夏の採用市場には、夏季休暇、帰省、家族予定、在職中の繁忙、企業側の面接体制など、複数の要因が重なります。そのため、応募が一時的に減る企業はあります。しかし、公開データから「7~8月は必ず応募が減る」と一律に結論づけることはできません。

-3.3%doda転職希望者数
2025年7月・前月比
-0.9%doda転職希望者数
2025年8月・前月比
3.2%正社員の転職活動実施率
2025年7月・マイナビ調査
4.0%正社員の転職活動実施率
2025年8月・マイナビ調査

dodaでは、2025年7月の転職希望者数が前月比3.3%減、8月も前月比0.9%減でした。一方、マイナビの「中途採用・転職活動の定点調査」では、正社員の転職活動実施率が2025年7月の3.2%から8月は4.0%へ上昇しています。

この2つは、対象者、定義、集計方法が異なります。dodaの転職希望者数は同サービスの独自定義による数値であり、マイナビの転職活動実施率は全国の正社員を対象とした調査です。どちらも企業への「応募件数」そのものではありません。異なる調査の数字を単純に横並びで比較せず、市場を見る補助情報として使う必要があります。

夏に応募が減る可能性はある。しかし、原因が夏とは限らない

2026年6月のdoda転職求人倍率は2.55倍で、求人数は前月比3.2%増、転職希望者数は1.2%減でした。求職者の選択肢が多い状態では、夏の季節要因がなくても、自社求人が比較で選ばれず応募が減ることがあります。

応募減は「表示・クリック・応募・選考」に分けて確認する

月間応募数だけを見ても、原因は分かりません。特に8月は夏季休業日が入りやすいため、7月と単純に月合計を比べると、掲載日数や対応可能日数の違いを見落とします。同じ掲載経過日数、同じ曜日数、1日当たりの数値で比較しましょう。

応募が減った場所と優先して確認する項目

表示が減った掲載状態、検索順位、職種名、予算、競合求人の増減、配信地域
クリック率が下がった給与、勤務地、休日、職種名、一覧画面で見える情報、写真
応募率が下がった仕事内容、必須条件、勤務時間、職場情報、応募フォームの負担
面接設定率が下がった初回連絡までの時間、連絡手段、面接候補日、夏季休業中の担当体制
有効応募が減った採用ターゲット、必須条件の表現、媒体・配信対象、確認質問

表示数は維持されているのに応募が減った場合、季節よりも原稿や条件の競争力を疑うべきです。逆にクリック率や応募率が維持され、表示数だけが落ちているなら、掲載状態や予算、配信対象を先に確認します。

9月までにやるべき7つの改善策

1前年同月と直近4週間を同じ条件で比べる

最初に、今年の7~8月、直近4週間、可能であれば前年同月の数値をそろえます。比較するのは応募数だけではありません。表示数、クリック数、応募開始数、応募完了数、有効応募数、面接設定数まで並べます。

掲載期間が異なる場合は、1日当たりの数値に直します。夏季休業を含む週は、通常週と分けて記録してください。昨年も同じ時期に表示数とクリック数が落ちていれば季節要因の可能性がありますが、今年だけ応募率が下がっているなら、競合や原稿の変化を優先して確認します。

今すぐ確認すること

「応募数÷掲載日数」だけでなく、「クリック数÷表示数」「応募完了数÷クリック数」「面接設定数÷応募数」を計算し、最も下がった工程を1つ特定する。

2競合10求人と給与・休日・時間を比較する

夏の求人応募が減ったように見えても、同じ時期に競合が条件を改善した可能性があります。同じ勤務地、職種、雇用形態で表示される求人を10件ほど抽出し、給与下限、固定残業代、年間休日、勤務時間、残業、資格要件、写真を比べます。

給与だけを上げる必要はありません。休日数、残業の実態、シフト確定日、入社後の教育など、自社が具体的に示せていない項目を補うだけで、比較しやすさは変わります。「働きやすい」「未経験歓迎」といった抽象語ではなく、応募者が判断できる事実を優先しましょう。

今すぐ確認すること

競合10求人の一覧画面と詳細画面を確認し、自社が劣る項目、同等の項目、優位な項目を各3つまで整理する。

3職種名と冒頭200文字を書き直す

求職者が最初に見るのは、求人一覧の職種名、給与、勤務地など限られた情報です。「スタッフ募集」「総合職」「幹部候補」のように仕事が伝わりにくい職種名は、具体的な仕事内容へ変えます。

詳細画面の冒頭では、募集背景、主な仕事、勤務地、働き方、応募条件を簡潔に伝えます。福利厚生や会社の歴史を先に長く説明すると、自分に合う求人か判断される前に離脱されやすくなります。スマートフォンで最初の2~3画面を見て、必要情報がそろっているか確認してください。

今すぐ確認すること

職種名だけで仕事内容が分かるか、冒頭200文字で「何をする・どこで働く・誰が応募できる」が伝わるかを見直す。

4必須条件を入社初日に必要なものまで絞る

応募が少ないときに、経験年数、業界経験、資格、年齢イメージをすべて維持したまま、文章だけ変えても対象者は増えません。入社初日から必要な条件と、入社後に教えられる条件を分けます。

たとえば「業界経験3年以上」を必須にしているなら、実際に必要なのは顧客折衝、数値管理、設備操作などの経験かもしれません。採用基準を下げるのではなく、活躍に必要な経験へ置き換える考え方が重要です。

今すぐ確認すること

応募条件を「入社時に必須」「3か月以内に習得可能」「歓迎」の3段階に分け、必須条件を増やしているだけの項目を外す。

5掲載停止ではなく予算と露出を調整する

応募が少ないからといって8月の掲載をすべて止めると、9月に向けて情報収集を始めた求職者にも届きません。表示やクリックが取れている求人は継続し、反応の弱い職種・地域だけ予算や原稿を調整します。

求人媒体内の登録者へ広く届けたい場合は求人広告やスカウト、勤務地と職種を明確に検索している人へ届けたい場合は採用リスティングが候補になります。どちらが良いかではなく、今不足している接点に合わせて選びます。

今すぐ確認すること

求人別の表示、クリック、応募単価を確認し、9月の主力求人へ予算を寄せる。数字を見ずに全求人を一律停止・増額しない。

6応募後の連絡を翌営業日までに統一する

夏季休業中は採用担当者や面接官の不在が重なり、応募があっても初回連絡が遅れやすくなります。候補者は複数社へ応募している可能性があるため、連絡の遅れは面接設定率の低下につながります。

休業前に、応募通知の受信者、代理対応者、返信文面、面接候補日を決めておきます。自動返信だけで終わらせず、原則として応募当日または翌営業日までに、担当者から次の流れを案内できる体制を整えましょう。

今すぐ確認すること

応募から初回連絡までの平均時間、初回連絡から面接確定までの日数、連絡不通率を確認し、担当者不在時の代替ルールを決める。

79月の改善テストを1求人1変更で準備する

給与、タイトル、写真、応募条件、予算を同時に変えると、何が効果を生んだか分からなくなります。優先度の高い求人から、まず1つの主要変更を決め、変更前後の数値を記録します。

応募数が少ない企業では、1週間だけで良し悪しを決めると偶然の影響を受けます。表示数とクリック数は週次、応募率と面接設定率は2~4週間を目安に確認し、採用数だけでなく有効応募の内容も見て判断します。

今すぐ確認すること

変更日、変更内容、対象求人、変更前の数値を記録し、9月の確認日を先に決める。少なくとも1つは元の条件を残して比較できるようにする。

9月採用へ向けた3週間の進め方

8月後半から9月第1週までの実行プラン

1週目:診断直近4週間と前年同月の工程別データを整理し、競合10求人と比較する
2週目:修正職種名、冒頭文、必須条件、写真、応募後対応のうち優先度が高い項目を直す
3週目:配信9月の主力求人へ露出と予算を配分し、週次で表示・クリック、2~4週間で応募・面接を確認する

重要なのは、9月になってから求人を作り直すのではなく、8月中に原因を特定し、9月の最初から改善後の状態で募集できるようにすることです。採用予定日が10月以降でも、候補者の情報収集と比較はそれより前に始まります。

課題に合う採用手法を選ぶ

夏の応募減に対して、すべての企業に同じサービスが適するわけではありません。表示が足りないなら媒体や配信の見直し、クリック率が低いなら条件とタイトル、応募率が低いなら原稿とフォーム、面接設定率が低いなら応募後対応を優先します。

  • 求人媒体:登録者へ広く告知し、掲載とスカウトを組み合わせたい
  • 採用リスティング:地域・職種を検索している人へ直接届けたい
  • スカウト:経験・資格など採用対象が限られ、待つだけでは接点が足りない
  • 採用サイト改善:クリックはあるが仕事内容や職場情報が不足している
  • 応募後対応改善:応募はあるが面接設定や実施につながっていない

媒体を追加する前に、どの工程がボトルネックかを確認してください。原因に合わない施策へ予算を使うと、表示や応募が増えても採用につながらない可能性があります。

RECRUITING SUPPORT

夏の応募減を、9月の採用改善につなげませんか?

株式会社ライノワークスでは、表示・クリック・応募・面接の数値を整理し、求人原稿、採用条件、求人媒体、スカウト、採用リスティングから優先すべき改善策をご提案します。特定の媒体ありきではなく、採用したい人材・地域・予算・期限に合わせて設計します。

求人応募の改善について相談する

まとめ

7~8月は、夏季休暇や在職者の予定によって応募や選考が一時的に鈍ることがあります。しかし、2025年の公開データでも、転職希望者数が減った指標と、8月に転職活動実施率が上がった指標があり、夏の求人応募が必ず減るとはいえません。

応募が落ちた企業は、表示、クリック、応募開始、応募完了、面接設定へ分けて原因を確認しましょう。そのうえで、競合比較、職種名と冒頭文、必須条件、予算配分、応募後対応を優先順位順に修正します。

9月に入ってから動くのではなく、8月中に診断と修正を終え、9月第1週から改善後の求人を検証できる状態をつくることが大切です。

参考:doda「転職求人倍率レポート(2025年7月)」(2025年8月21日発表)

参考:doda「転職求人倍率レポート(2025年8月)」(2025年9月18日発表)

参考:マイナビキャリアリサーチLab「2025年7月度 中途採用・転職活動の定点調査」(2025年8月29日公開)

参考:マイナビキャリアリサーチLab「2025年8月度 中途採用・転職活動の定点調査」(2025年9月30日公開)

参考:パーソルキャリア「doda転職求人倍率 2026年6月・2026年第1四半期レポート」(2026年7月23日発表)

※掲載内容は2026年8月17日時点で確認できる公表資料をもとにしています。各調査は対象者、定義、集計方法が異なります。本記事の数値は正社員の中途採用市場に関するもので、アルバイト・パート採用へそのまま当てはめることはできません。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事一覧